第17章 近過ぎたキミ②(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
『年上…!?』
「……そう、年上…。
お兄ちゃん子なら
年上のおにーさんも好き?」
見据えた目には
明らかに動揺の色。
ドクンと心臓が大きく一つ跳ねた。
及川、ナニした?
お兄ちゃんに反応凄いんだけど?
ヤバイ。止まれ。
まだ確証はない。
妄想で暴走したら
姫凪が泣くぞ。
心を占めそうな
ドス黒い気持ちも
追い出して
「デートしない?
好きな所連れて行くよ?」
なるべく爽やかに笑いかけると
『からかわないで下さい!
それに近いです!
配達お気をつけて!』
真っ赤な顔がそっぽを向いて
俺から離れていく
想定内だ
焦る事はない。
でも簡単には逃さない。
「ちょい待ち!」
『待ちません!離し…』
「からかってないよ?
俺は嘘は付かない
元気な顔見れて良かった
また、ね?」
腕を掴んで
声を降らせ
「…嶋田マートをご贔屓に!
ついでに俺もよろしく!」
俺を刻むまでは
離さない。
『お店には行きますけど
嶋田さんをヨロシクはしませんから!
失礼します!』
更に染まる顔に
腕の力を緩めると
姫凪が慌てて
手を大きく振り払って
家に帰って行く
「ほんと可愛い奴…
ただ、なぁ……。
お兄ちゃん子が玉に瑕
兄貴より俺でイッパイにしてやるよ
今度は今日より刻んであげるからね」
見えない背中に笑いかけ
本来の目的地へ
車を走らせた