第17章 近過ぎたキミ②(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「知ってるか?
男ってのはなー
女の手料理に弱いんだぞー!
胃袋掴まれるって言うだろ?
料理得意?」
『え?あぁ…多分…?
お母さんのお手伝いはよくする…』
「なら、きっと簡単に出来るよ
男の俺でも出来る位だから…っと!
はい、完成。」
レシピに、ほんの少し
繋がりの希望を託して
メモを仕上げる
『チーズINハンバーグ?』
「そ!いつものハンバーグに
ひと手間加えるだけで
手が込んでそうに見えるだろ?
これにサラダとかスープ付けりゃ完璧!
ほら!どーぞ?」
まだ気付くなよ?
今、返されたら
笑えねぇから
『あ、どうも!』
小さい頭を下げて
ニコリと笑い掛けてくる顔は
「いえいえ〜!
兄ちゃん思いの可愛い常連さんに
サービス!
足りない材料はウチで全部揃うよ〜!
これからも嶋田マートを宜しく!」
戯けてないと熱が上がり過ぎそうだ。
『営業?!』
「ハハッ!正解!毎度あり〜!!」
そんなわけないだろ?
俺が繋がりたかっただけ。
常連のおばちゃんや
お姉さんや
その他にも毎日沢山
喋って笑う
それが仕事
営業スマイルは
得意中の得意
もちろん楽しんで働いてる
だけど、な
「あ!毎度あり!
また、ね!」
『あ、はーい!
頑張って作りますね!』
「おー!頑張れよ!」
これは営業スマイルなんかじゃ
ないんだよ
君の声が可愛くて
君の笑顔が可愛くて
及川が彼氏じゃないのに
浮かれて自然に
溢れてきた笑顔。
今はまだ気付かなくて良い
ゆっくり俺が
君に映れば
それで良い。