第17章 近過ぎたキミ②(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
姫凪の大好きな
お店の高級プリンを
二人分
母ちゃんと父ちゃんには
申し訳ないけど
コンビニプリン。
"母ちゃんが買い物
押し付けたからだよー!"とか
軽いお財布に無理矢理
笑おうとするけど
「なんで?姫凪…
いつから…なのさ…?」
ため息が勝つ。
なんで?
いつも二人で買い物してるし
親密になる隙なんか
与えてないじゃん?
いつどこで?
なんで、なんで、なんで!?
なんで…連絡なんか…!
イライラを追いかける様に
切なさがやって来る
付き合ってるわけじゃない
姫凪とあの人も
オレと姫凪も。
でも。
もし、仮に、だよ?
あの人が姫凪を好きで
姫凪もあの人に
好意を持ってしまったら?
未来のないオレは…
勝てない……。
息が詰まりそうな程
怖いよ
姫凪の幸せを
祈ってるのに
祈ってたのに
オレは弱いね。
今すぐ俺で一杯にしたい
居るかも知れない
あの人の影を
掻き消したい
一歩、また一歩。
重くなる足取り
このまま帰ったら
嫉妬に任せて襲っちゃうかも。
遠回り?とか
一瞬頭に浮かぶけど
やっぱり早く逢いたくて
オレの足は速度を取り戻した
家は両親が居ないから
とても静かだった
てっきりリビングで
テレビでも見てると思ってたのに
姫凪は居ない
冷蔵庫にプリンを
押し込んで
姫凪の部屋に向かった