第16章 近過ぎたキミ(及川徹)⚠兄×妹R18⚠
良かった。
夢じゃない。
なら!どこに行ったのさ!
まさかお母さんに
バレちゃったとか!?
ドクドクと脈打つ心臓
いつ来るか分からない終わりは
すぐそこかも知れない
なら…
少しでも長く
徹と触れ合いたい
部屋を出てソロソロと
廊下を歩く
リビングから光が漏れてる?
『とお…』
呼びかけた名前を飲み込む
もし、お母さんが居たら
大変だし。
『お兄ちゃん…』
ドアを開けてリビングに入ると
中には徹しか居なかった
「姫凪?トイレ?」
振り返った
大好きな顔
上から落ちて来る声に
『徹が居ないから…
寂しかった…』
身体を擦り寄せる
ポカポカした徹の
体温が再び私に移ってくる
離れたくない
離して欲しくない
「母ちゃん達が帰った来たら
一緒に寝てるのは
マズイでしょ?」
分かってるのに
分かってるけど
『朝、早起きして
お部屋に帰るから…
一緒に…居て…』
側に居たいの…
ギュッてしてたい
ギュッてしてて欲しい
「甘えん坊…」
呆れた?
嫌なのかな?
さっきの好きは
ヤッパリ夢??
覚めちゃった?
嫌だ!覚めないで!
今日だけで良いから
夢を見させて!