第75章 HIDE AND SEEK（影山飛雄）

確かに俺が悪い
俺の態度が悪いのは認めるけど
コイツに頭を下げたくない

「…帰る」

「ちゃ、ちゃんと
話して下さいゴラァァ！」

とか言ってらんねぇ！
死ぬ気で下げた頭に落ちる

「…てっきり
俺が布施にキスした事を
許せなくて
布施と別れたと思ってた。
それくらいで離れるくらいなら
まだ可能性もあるかなって思ったケド…」

無気力な声とため息

「どう考えて
そうじゃねぇよな…」

「当たり前だ。
嫌だけど…死ぬほど嫌だけど
それくらいで別れたりしねぇ…」

隠し事をされてた事も
言いたくなかった気持ちは分かる
だから、それはもう良いって思ってた

でも…

「じゃあ、なんで別れた？」

「アイツは…俺と居ると泣くから…
それに…アイツはお前を…」

俺より他を選ぶ事が幸せだとしたら
俺は身を退くしかねぇだろ…

「…ちょっと待て」

俺の声に
無気力な声に戸惑いが混ざる