第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
今でも嫌っていうほど
思い出される
必死にお前を庇う布施の声が。
「は?ふざけてんの?」
「あ?ふざけてでも
言いたかねぇわ、こんな事」
あからさまに不機嫌になる俺に
一瞬止まった声が
「終わったら話がある、待ってろ」
「はぁ!?なんでだよ!」
「良いから、待ってろ」
まさかの予定を組み込んで来る
「影山さーん
影山飛雄さーん」
"嫌だ"と言う前に
診察室から俺を呼ぶ声が聞こえる
「影山さん、だってよ
さっさと行けよ」
「聞こえてるわ!ボケ!」
「終わったら待ってろよ
まぁ、帰ってても押しかけるけど」
マジでコイツ国見か?
もしかして国見のフリした
日向か金田一なんじゃ……
「影山さん!」
「ハ、ハイ!すぐ行きます!」
俺のバカな考えを
ぶった斬る看護師の声に
慌てて診察室に飛び込む
もちろん、診断結果は大したことなくて
無理しなきゃ
すぐ治るような程度だった