第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
そうやって気持ちを押し殺すのにも
慣れて来た
ある日の放課後
「ぅっわ!影山!ごめん!」
初めての試合から
久方ぶりに
日向のサーブが俺の後頭部を撃ち抜いた
「…どういうつもりだ、コラ…」
「違う!わざとじゃない!
青城の大王様みたいな
サーブ打てたらって
話を山口としてて…」
「オマエが?及川さんみたいな?」
「ハ、ハイ…打てたら…良いな…と…」
「打てるかボゲェェェ!
そんな暇あんなら
レシーブの練習を…し、、」
痛む後頭部を無視して
大声を張り上げたからなのか
撃ち抜かれた所が悪かったのか…
俺の意識は
一気に遠退いて行き…
「…!?!」
気が付いたら
真っ白の天井を眺めて居た
なんだ?ここは?
夢か?
『影山くん!大丈夫?!』
夢なら…
「…」
『私、分かる?
影山くん??』
まだ覚めなくても良いかもな…
分かるに決まってる
オマエの事しか考えてないくらい
今もオマエだけ、だ。