第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
何かをしなければ
何も変わらないのに
何も出来ず
その場の甘さに
流されてる自分が嫌い
嫌いだ、嫌だと思いながらも
「スマン…
こんなヤツは嫌か?」
『嫌いなわけないよ!
…大好き…』
「俺も…ッ!
好きだ…布施…」
好きと言われて
浮かれる自分が
惨めで狡くて
情けなくて…
重なる唇に涙が
溢れそうになる
「布施?」
国見には呼ばれたのに
影山くんには
名前で呼ばれない事が
神さまが私を責めてる様に感じる
身勝手な私への罰なんじゃないか、って。
『行こうか
日向が先に着いちゃうよ』
私の声に
バレーボールへのスイッチが
入った影山くんは
キスをする事も忘れて
前だけを見て歩き出した
そんな日が続き
練習試合当日
日向の絶不調に
バスの中は阿鼻叫喚
『日向、大丈夫?』
「よ、ゆー…」
『絶対ウソ!
吐き気止めの薬
持って来たらよかったね…
保健室の場所聞いて来ようか?』
「バレー…する…」