第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
絡みつく腕を振り払う度に
頭がクラクラする
サイドテーブルにぶつかる身体
揺れたコップの水が
纏められた薬を映して揺らす
心配してくれて
助けてくれて
看病してくれて
感謝はしてるけど
あんな事…
「ゴメン」
許せるわけないよ
『そう思うなら
もう連絡しないで…』
影山くんに何て言えばいいの?
もし、隙だらけの私に
幻滅されてしまったら
怖くて仕方ない
でも、黙ってても
何も解決しない事で…
重く胸にのしかかる憂鬱に
「…悪いけど…それは無理」
『なんでよ!』
苛立ち荒げる声
「お前が好きだから。
何回も言わせんな
お前には影山より
俺が似合ってると思う」
『なに勝手な事言ってるの…?
私達は幸せだった…
似合ってなくなんか無かった!』
「それはお前が
無理してただけだろ
体調崩すくらい
無茶されてんのに
一人で帰されてさ」
『それは私が自分で
そうするって言った…
影山くんには
練習があるから…』