第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
俺を振り返りながら
ニヤニヤ笑い
背中を押して
二階へ上がるよう促す
「いや、差し入れスけど…!
そんなイキナリ…
心の準備が…」
「なに乙女みたいなこと
言ってんのよ~!」
昨日の二人を知らない叔母さんは
"いつもの事でしょ"とでも
言いたげに
俺の意見を聞き入れない
そりゃ俺だって
布施にはあいたいし
二人で話せるなら
それに越した事はない
でも、きっと布施は
俺に会いたいなんて
思ってないんだ。
仁王立ちで俺が上がるまで
見張る叔母さんに
大きく溜息を吐いて
階段を上がる
閉まった布施の部屋のドアの前
深呼吸して
ドアを小さくノックした
『…ホントに食欲ないの
ごめんなさい…』
近くで聞くと
更に掠れてる
風邪ならまだマシだ。
薬飲んでりゃ治る
でも、これはきっと
「食えよ」
俺が泣かせたせいなんだよな。
『…!?
影山くん、が?なんで…』