第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
『ひゃあ!!
チョット…待って…!』
カプリと噛まれた耳
「布施…」
熱く私の耳を嬲るようにかかる息
こんな事されたら…
された…ら……
「おい、大丈夫か?
顔色悪いぞ…?」
そりゃもう、パニックだし
久しぶりに走って酸欠だし
顔色だって
赤を通り過ぎて
青くもなる…わよ…
上手く肺に届かない酸素
「布施、身体悪いのか?」
病気の事も
このドキドキも
『…大丈夫…
全然余裕…デス』
「どこがだよボケ
真っ青じゃねぇか」
『気の…せい…』
影山くんに気づかれたくない
途切れ途切れ
必死に伝えた言葉は
「家、どこだ?
すぐ連れて行く」
全く響いてなくて
『え?……えぇ?!』
私の身体は
フワリと地面から離された
こうなったら観念しないわけには
いかない…なんて、ね。
影山くんが私を気にかけてくれてるのが
嬉しくて堪らないよ