第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
布施から離れて
大きく肩で息をして
「チャント飯食えよ
じゃあな」
背中を向けて足を
踏み出すと
『ま、待って!
嫌とかじゃないから!』
布施が俺の背中を
追いかけて来て
俺の制服の端を掴み
『ただ…』
言葉を詰まらせる
「ただ?なんだ?」
振り返って
少しだけ視線を外す
見つめしまったら
また暴走しそうで
アチコチに視線を泳がせ
尋ねると
『…え、と…
お茶!淹れるっていったよ?
送って貰ったのに
そのまま帰すわけにはいかないよ』
何かを誤魔化した様な気もしたけど
布施と居られるのも
嫌じゃなかったって言葉も
嬉しくて
「じゃあ、飲む」
足をソファーに進め
「そのかわり俺の近くには
来ちゃダメだ!
さっきみたいな事したくなる!」
ソファーの端にドカリと
腰を下ろした
『は、はい!気を付け、ます!』
「スキ見せんな…あぶねぇから」