第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
ぷくりと膨らませた頬
ドストレートな声に
『…喧嘩したわけじゃない
事も…なくもない…』
小さく反論すると
「口説き損ね…って所を
ガン無視する辺り
姫凪だよな
なに拗ねてんだよ
言ってみ?
優しい孝ちゃんが
聞いてやっから!
ほら、寒ぃんだから
茶と菓子だせだせ!」
強引に身体を引き摺られ
家まで戻される
「お?飯作ってたんか?
いい匂いー!」
『うん…徹がね…』
テンションを上げる孝ちゃんとは
逆にさっきの事を
思い出してドンドン
気持ちが落ち込んでいく私
「…あ~ね、優しい彼氏だ事で…」
『優しいのか優しくないのか
分かんなくなっちゃった…
……孝ちゃん!聞いてよ!』
お茶も出さずに
リビングのソファーに座らせ
今日あった事を
アレヤコレヤ話し続ける
頭も気持ちも
整理がついてないから
どれだけ伝わったかは
分からないけど
孝ちゃんは
「…分かった!
こりゃやるっきゃねぇべ!」
パンッと大きく手を叩き
ニヤリと笑う