第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
ねぇ?キミにはないのかい?
『徹どうしたの!?
キザな事イキナリ言ったりしてー!』
「…こんな及川さんも
たまには良いだろ?
ドキドキした?姫凪?」
俺にドキドキしたり
『バカじゃないの!
するわけないじゃん!』
「なーんだ、残念!
他の子には効果しかないんだけどな!」
他の子が俺のトナリを奪うかもって
不安になったりとか…さ?
『…ふーん?
烏野のマネージャーに
ガン無視されてたって
岩ちゃんに聞いたけど?』
「あれは絶対照れてただけだし!」
『そーですかー?
猛の話では
すっごく気にして
数日間ソファーで三角座りしてたって…』
「…あンのクソガキッッ!
気にしてなんかない!
全然、全く!!」
『はいはい、分かった。
分かったから早く行こうよ
本当に遅刻して
岩ちゃんに怒られるよ』
…ないよね、きっと。
この関係がベストって
思ってるから
そんなにサバサバしてるんだよね。
いつも通り
隣に並んで家を出る
伸ばせば繋がる
手と手は空を切って
微かに揺れるだけ