第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
[大丈夫だってばー!
今からラブラブだから
邪魔したら怒るからねー!]
それに気付かれない様に
わざと明るくメッセージを返して
キモカワなスタンプで
"おこ!"なんて付け加えて
携帯をマナーモードに切り替える
そうよ。
今からラブラブなんだよ
暗い気持ちで居てどうするのよ
「姫凪さん、次どうぞ」
『あ、うん!
シチュー煮込んでるから
お鍋見ててね
行ってきまーす!』
なるべく明るく返事をして
バスルームに飛び込む
シャワーを浴びて一気にリセットだ!
「あ、姫凪さん」
『は、はい?!』
不意打ちの京治の声は
「俺のズボンですけど…」
『な、に?
ズボンに何か…ある?
洗濯機に入ってるけど、出す?』
リセットしたかった気持ちを
巻き戻させる
まさかあのメモの事…?
入れてたの思い出した、とか?
「…いえ、そのまま回して貰って大丈夫です
ごゆっくり」
『いや、スグ出る…』
「ハハッ!焦らなくて
大丈夫ですよ
お鍋なら見てますから
ゆっくり入って良いですよ
疲れてるでしょう?」