第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
甘えながらも漂う
漢の空気に思わず首を
縦に振りたくなるけど
ここで乗っかって
また潰れたら
マッキーに要らぬ心配されちゃう!
『駄目!
今日は私がご飯作って
待ってたいの!
だから京治が先に入って来て?
昼間の、かな?
香水の香りまだ少し残ってるよ』
必死に踏みとどまって
もっともらしい事言って断ると
「姫凪さんが
上書きしてくれたら良いのに
…まぁ、ご飯の前に
潰れたら大変ですもんね
では、今日はお言葉に甘えてお先に」
少し拗ねながらも
納得して引き下がる京治に
『ユックリね!
ご飯気合い入れて作るから!
そ、その後は…イッパイ…ね?』
チュッとキスを送ったりして
気まずかった事が
嘘みたいに甘々に変わった空気を
堪能しながら
家までの残り数メートルを歩いた
「お風呂ためます?」
『うん、そうしようか
あ、バラの花びらのに入浴剤あるよ』
「それは姫凪さんが浮かべて
入って良いですよ」
『やったぁ
じゃあお言葉に甘えて
そうしちゃお!
ご飯の用意してるから
お先にどうぞ』
「じゃあ、お湯がたまるまで
手伝いますよ」