第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
『ホントに良いの??』
「かまへんやろ
メッチャ人居るもん
授業に忍び込むわけやないし
学食で姫凪の一人や二人
飯食うてても分からんて
早よ買うて行こや
俺腹減って死にそやねん」
『うん、ありがと』
「御礼はプリンでエエよ」
チャッカリ者と
自分のゲンキンさに笑みを零して
ご飯と二人分のスイーツ
そしてプリンを買って
いそいそ京治の大学に足を運んだ
まさか盛りがった気持ちが
大きく凹むなんて
凹んだ所から
小さく歪んでいくなんて
思いもしないで。
初めて入る
京治の通う大学
歳なんかそこまで離れてないのに
『なんか、オーラが若いね』
どうしてか全然馴染めない
「そうか?
北さんと同いやろ?
別に同期のヤツ居ってもおかしないし
違和感あらへんで
気にし過ぎちゃうか?」
言われてみれば
そうなんだろうけど
忍び込んでるという負い目からか
自分だけ合成写真みたいに
浮いてる様な感覚が
消えないんだろうな…。