第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
髪の色とか違うって京治に
聞いてはいたけど…
『えっと…』
興味ないから覚えてなかった!
「治です~
なんや?あんなに仲良ぉしたのに
どっちか分からへんかったん?」
プクッと頬を膨らませた治くんが
私の顔を覗き込む
『ごめん!
あの、興味なくて…じゃなくて!
双子が周りに居ないから
見分けるスキル持ち合わせてなくて…』
近くなった顔を押し退けながら
失礼を隠しきれない言い訳をする私に
「ブッフォッ!
そない焦らんでもかまへんよ?
俺も赤葦のオンナやなかったら
顔も覚えてへんかったやろしな
乳デカねぇちゃんしか情報残らず
名前も顔も記憶から
消え失せてた思うしな~」
失礼を隠す様子もない
治くんが距離を取りながら笑う
『どうせなら乳デカも
消しさりなさいよ
乳だけ残すってどうなのよ』
「乳は重要やろ
ただそこに付いとるだけやのに
あんなけ癒やされるモンあらへんやん
ちゅーか、自分のオンナの顔と名前だけ
覚えてたらエエもん、俺
ほんで、どないしたん?
姫凪もお昼買いに来たんか?」