第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
侑にペンとノートを押し付け
バンッと机を叩く
「分かっとるわ!
サッサ終わらせて彼女の家押し掛けて
エッチやな!!
分からせたらなアカンもん
俺がどんだけ一途か!!」
「そうだな」
侑の課題後の予定は
正直どうでも良いけど
彼女の話を聞いていたら
俺も逢いたくなって来る
今日は我慢するつもりだったけど
少しでも顔がみたい
そういえば朝もすれ違いだったしな
中々終わらない課題に
苛立ちながらも
なんとか見えて来た終わり
念の為、姫凪さんに
終わったら行くと
入れておこうかと思って
携帯を持ち上げる
溜まってるLINE通知
全部がダイレクトメール
一括で既読にした後
フト手が止まる
「…木兎さんから連絡ないの
珍しいな」
いつも飲みの誘いか
ヒマ電か
何かしら入ってるんだけどな
「なん?木兎くんがどないしたん?」
「…いや、別になんでもない。
そっちに木兎さんから
連絡あったか?」
「今日はあらへんけど?
そういえば
昼間用事あって電話した時
急用入って
なんか忙しいって言うてたなー」