第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「そんなにたくさんの量
よく順番間違わずに付けられますね
なんか全部混ぜたら
爆発しそう」
鏡の前に所狭しと並ぶ
化粧水やら乳液の小瓶を
訝しげに見てると
『そんなわけないでしょ!
てゆっか、タイプ全然違うと
思ってたけど実は京治と
光太郎って似てるかも…
昔、光太郎も同じ様な事言ってた』
姫凪さんが鏡越しに
目を丸めて
弾けた様に笑い出した
「それは煽ってます?
ここで木兎さんはダメでしょう」
大きく揺れる
細い肩を抱き締めて
カプリと耳に噛みつくと
『わかった?煽ってるよ…
はい、これで終わり!
後は…』
最後の小瓶をコトリと定位置に戻し
『いっぱい愛して!京治~!』
俺に向き直り
強く唇を押し付けて倒れ込んで来る
「ちょ、危ない!
てゆっか何で俺が押し倒されてんですか?!」
俺を組み敷いて
見つめる姫凪さんの
オデコを軽く叩くと
『さっきまで鏡越しだったから
チャント見たいなーって思って
それに…』
瞳いっぱいに俺を映すように近づいて来る