第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
無邪気に笑う顔に
少し晴れたモヤ
アキラさんが店に行くのなんか
ただの客としてだろう
花巻さんに用事があるのかも知れないし
客とスタッフである事に
変わりはないんだ
気にしなければ良い
頭の中を必死にプラスに変換して
「買ってますよ
姫凪さんの好きな
カクテルとチューハイ」
冷蔵庫の中から缶を取り出し
「お風呂あがり?
今すぐ?」
姫凪さんの頬にピタリと当てる
『あ~ん!どうしよ!
どっちも美味しそうだけど…
ダッシュで汗流してくるから
待ってて!
一緒に乾杯して
美味しいご飯食べながら飲みたい!』
ピョンピョン跳ねて
幼い笑顔を見せて
荷物を放り投げる姿が
年上でしかも社会人とは
思えない程に可愛くて
「俺も汗流そうかな…
キッチンに立ちっぱなしで
疲れたし…」
一人で行かせるのが惜しくなる
『ちょっと…ご飯冷めちゃう…』
「変な期待しないで下さい
今日はチャント食べてから…ね?」
『へ?!あぁ、そうなの!?
てっきりお風呂場でかと…』