第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
先に会計を済ませた
宮侑を見送り
姫凪さんの会計を待つ
チラリとチェックした
ハンドクリームのパッケージは
いつもと違う様な気もするけど
姫凪さんは新作があれば
試す方だし…と軽くスルーして
『お待たせ』
「うん、待った」
小さな身体を人混みとは逆に運んだ
「姫凪さん…
今日も忙しかったんですか?
顔色良くありませんよ」
『そう?
平日だし今日はそこまで
疲れてないけど…』
「真面目ですか。
疲れてる事にしてて下さい
…甘いお薬出さないと、ね?」
丸くした目が
もっとよく見える様に
顎を跳ね上げ
「お薬、要りませんか?」
ギリギリで唇を止めると
『もう!意地悪しないの!
分かってるくせに
言わせないで…』
握った手を
ブラブラ揺らして
俺をジトっと見つめる
膨れた頬
尖った唇
全て全て愛しい
「聞きたい
言って?
欲しい…でしょう?」
軽く唇を合わせて
離れると
『…意地悪な顔…
そんな目で見られたら
ドキドキして…死にそう』
ブラブラさせてた手に
力が込められ
グイッと引き寄せられる