第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「待て待て!
行くに決まってるやん!
ちゅーか、顔出して行ったりせんの?」
本音は顔出しに行きたい、けど
行った所で用事があるわけじゃないし
困らせるだけなのは
目に見えてる
それなら帰りを待つ方が良い
「仕事中だろ
邪魔したくない」
「…フーン…
赤葦って恋愛にも
そんな感じなんやなー
もっとガツガツしてるかと思てたわ」
少し不服そうに呟くも
当初の目的は彼女の
プレゼント選び
それ以上突っ込む事なく
ボディショップに向かって歩き出す
着いた店の中は…
「…凄いな…
何がどう違うねん?」
「そんなの店員さんに聞けよ
俺が分かるわけないだろ?」
華やかな色と匂いと
慣れぬ名前に溢れかえり
バレー終わりの香りを纏った
俺達はカナリ場違いに思える
「なんで石鹸が
こないに高いねや?
牛乳石鹸の倍するやん
こっちの石鹸は
ハート型やで!使い難いやろ!」
場違いに拍車を掛けるように
はしゃぐ宮侑
付いてこなければ良かったと
思ったのは
言うまでもない。