第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「姫凪も。
この手の奴を甘やかすな
調子に乗るのは
孤爪で経験済だろ」
治くんから引き離した私の
オデコを弾き
「オマエらが喧嘩したら
封印した俺の王子様が
疼くからヤメテクダサイ
いくら俺でも
オマエが泣いたら
良い人で居られねぇから」
赤くなったソコに
チュッとリップ音を立てる
……や、ばい。
治くんの甘えたとか
消し飛ぶくらい
久々に…ド真ん中…!
「(ドキドキしたろ?
エッロ可愛い顔してんぞー?)」
『はぁ!?してないし!
自惚れないでよ!
バカ太郎!!
京治!光太郎が口説いてくる!
助けてー!!」
図星をつかれ
わざと大袈裟に騒いで京治に
くっつくけど
「口説かれたい顔してたのは
見間違えですか?」
それを見逃す程
ウチの王子様はオマヌケじゃあないのよね
疲労がたまり過ぎた身体
心まで折れそうな私を他所に
「おい、お前のせぇやぞ治!
なんとかせぇや!」
「お前がさっさと止めへんからやん
俺のタイプやて知っとるくせに。
視野狭なったんちゃう?」
「なんやて!?
やんのかこら!」
「俺に勝てへんやん
喧嘩もゲームもオンナも」
双子は小競り合いを始める