第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
いつもなら文句言いながらも
ズルズルと俺に
引き摺られてくれるのですが…
「あー!あかーし!
姫凪とヤッたろ!
それで遅れたんだろ!
俺を待たせて自分だけ!!」
これは…マズい
捕食者より質が悪い
「俺もしたい!
昨日の合コンも何か知らねぇ間に
木葉とリエーフが
女持って帰ったし!
溜まりまくって死ぬっ!
人肌恋しい~!!」
駄々っ子モードかよ。
「木兎さん、あの…」
「俺も朝からイイコトしたいー!
俺にはおっきいオッパイが
足りねぇんだぁぁ」
早く宥めないと
「人肌恋しいの?
いくらでも温めてあげるじゃん、ねぇ?」
「そうそう!
なんなら今からご飯食べに来る?
この子独り暮らしだけど
部屋広いから四人くらいなら
余裕だし」
「それ!四人でご飯食べて
マッタリ遊ぼうよー」
ほら、見た事か
引き離し損ねた女狐が
ワラワラと寄って来た。
「こっちの子も
何気にタイプなんだよね~
クールで淡白に見えて
実はエッチ濃厚そう~」
確かに間違ってはいません、が。
俺が必死になるのは
後にも先にも一人だけ
あなた達の出る幕なんか
塵ほどもない。