第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
"学校サボってでも止めに…"とかなんとか
脳内暴走してる侑を窘め
「学校内に居るのにサボる意味
いや、ある意味サボる事になりそうだけど…
部室だよ。
北さんに連れ込まれてた
なんかいい雰囲気だったよ」
「二人きりか?!」
「そう言ったじゃん」
チクッと意地悪。
別に微塵もいい雰囲気には
見えなかったけど
少しくらい良いよな?
サクラにベタベタしてた(仮)
仕返し…って、彼氏気取りウザ…。
どうせ、もう隣に治が居るって…
「すぐ奪還して来る!
おおきに、角名!
…つーか…サクラに変な事すんなや?
アイツは治のンやからな」
…え?そういうオチじゃねぇんだ
サクラ、今一人?
侑がさした小さなクギは
俺の足をチクリとも傷める事なく
屋上に向かって
ダッシュさせた
居ろよ…居てくれ
少しの時間だけで良い
治より先にアンタに…
必死で駆け上がった階段
ドアを開いた先には
「サクラ!!」
「うわ?!なんなん?!
え?角名くん?なんなん?!」
目を丸めたサクラの姿