第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
"もう知らん"って言われるかもな
"嫌いや"って泣かれるかも。
それでもまずば
伝えたい
何があっても
おまえしか好きちゃうって
おまえしか見えへんよって
クソダサいって笑うやろか?
…いや、まぁえっか。
笑ってくれたら丸儲けや、なぁ?
「ちゅーか…どこおんねん!!!
教室にも中庭にも居らんし
図書室は閉まってたし…なんや!?
帰ったんか!
サボる気か?!ボケがーーーぁ!」
思い当たる所を
全部回ったのに居ない姫凪
上がる息で叫ぶと
「…うるさ…朝から大声出して
何してんの?侑」
後ろから冷めすぎた声が聞こえた
「なんや、角名やん。
あ!お前…が
姫凪の居場所知ってるわけないか
スマン、急いでんねん」
冷ややかに俺を見る角名と絡む余裕は
今の俺にはない
こうなったら学校抜け出して
家に押しかけたろかと思った
その時
「あぁ、姉なら…」
角名の口が動く