第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
ヤキモチに浮かれてる場合やなかった!!
姫凪泣かせてまうやんけ!
てゆっか、てゆっかやで?!
ぶっちゃけ、それ言うなら
そっちもやろ、とか
お前こそ何で治と…って
責めたくなる気持ちもゼロやない
でもそれ以上に
『好きってヤッパリそう言う事なん?』
明らかに誤解してる姫凪に
心臓がザワザワする
何から話せばええ?
なんて言えばチャント伝わる?
"繋げ" "落とすな"と
必死に伝達しようとする脳に
「姫凪!ちょっと待って!
ちゃうから!
これは、私が呼び出したから
そのお詫びに…」
サクラの声が響く
ちょい待て!
そんなん言うたらサクラ(オマエ)だけ
悪モンなるやんけ!!
自分のせいだと俺の前に立つサクラに
乱れたペースは
「あほかサクラ!
俺がお前に来いってLINEして…」
「ちゃう!
私が来て言うた!」
「俺やし!」
『…どっちでも…ええよ』
繋ぎたかった声も言葉も
あっという間に崩してしまう