第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
北さんの教室を出て
食堂を通り過ぎ
足は部室に向かう
別に行っても良い事なんかないのに
歩幅どんどん広くなって
見慣れたドアの前
中からは…
「治くん美味しかった?」
「おん、美味かったけど…
デザート足らん
果物だけはアカンやろ?
サクラ、こっち来ぃや」
「え!?でも…誰か来るかも…」
「エエやん
俺らがオカズになるんも
それはそれで。
ただ、他の奴にお前の声は
聞かせたないから
チャント我慢せぇよ?」
安定のイチャイチャ具合が伺える
ただ昨日までと何か違う
雰囲気?声の調子?
いや…
「無理!絶対無理やし!
それに…」
「おりこうさんにせな…
ご褒美ナシや…で?
サクラ…早く来い…抱かせろや…」
「でも…今は…」
「今がエエねん!」
二人の態度…かな。