第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
そう思ってるんが
俺だけやったら
お前は苦しくても
笑って俺だけ見ててくれたんやろな
大丈夫や、って。
でも俺だけやなかってん
俺をよく思わん奴
まぁ、当たり前と言っちゃ
当たり前で
文句言える事やないんやけど、な…。
「おっそ!
先行ったんちゃうんかい!
追い付いてもーたやん」
「サクラの可愛い歩幅に
合わせただけや」
「足短い言われた…」
「ちゃうわ!」
いつの間にか後ろまで来てた
侑達となんとなくいつも通りに
登校して
朝練もなんとか
持ち直してこなせて
サクラの言うとおり
このままユックリ進めば
いつかクネクネしてる道も
真っ直ぐになると
思ってた
岐路がまだあるなんて
思ってもなかった
その岐路がすぐ近くにある事も。