第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
サクラを送り届けて
少しコンビニに寄り道して
使い切ったゴムの補充でも、とか
考えて
思い出し笑いをマスクで隠す
ついでに侑にプリンでも
買って帰ったろか、とか
肉まん食べようか、とか
ウロウロと店の中を歩いてると
コンビニの前を侑が通るのが見えた
手に持ってたゴムを棚に戻し
「侑、今帰りか?
一緒に帰ろや」
コンビニから出て
侑の肩を叩いた
いつもなら一緒に帰ろうなんて
言わへん。
同じ顔の二人が仲良く歩くのとか
この上背やし
目立ってしゃあないし
それでも声掛けたんは
きっと幸過ぎた
気持ちのせいやったんかも知らん
アホやんな。
「うわ!治やん!
なにしとん!?
サクラは!?」