第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「サクラ…アレは…」
違う、とか
バレバレなセリフを吐き出す間も与えず
「好きとか嫌いとかは
無理してどうにかなるモンちゃうで?
治くんの気持ちは嬉しいけど…
焦らんといて…
無理せんといて…」
吐き出されたサクラの涙声が
胸に深く突き刺さる
またや。
また俺はコイツを
自分勝手な態度で傷付けた。
「サクラ…スマン」
侑やったら気の利いたセリフの
三つくらい出てきたやろか
ため息に混ざる何回目かのスマンに
「ちゃう!謝ってって事やなくて…!」
サクラが思いっきり首を振った