第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④（宮侑　治）

「どないすんねん？
（逃げんのか？）」

ホンマ…オニやわ。

「食うに決まってるやろ
腹減っとんねん」

サクラの手を引いて
玄関をくぐる

「お邪魔しますー
サクラも一緒に作るん？」

「え？うん…そや、ね…
手伝いくらいは…」

オドオドするサクラに

「さよか。
楽しみにしてるな」

笑い掛けて
そのままリビングに入った

見慣れてる
定位置等も決まってる

でも、俺の目に映るんは…

『サクラ、ジャガイモの皮剝いて
私はお米研ぐ』

ヤッパリ姫凪…