第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③（宮侑、宮治）

それは侑にも私にも酷な話やったけど
驚くほど甘い侑の声は
”泣いて良い”
そう言われてるみたいに優しくて

「辛いとか
お前には絶対言わへんつもりやったけど
お前にしか言われへん…
辛いわ…
失恋がこんな辛いとか
知りたくなかったな…」

『せやな…
…なんで…こんなに…
辛いんやろな』

固まってたはずの涙も
張ってたはずの意地も

熱く溶けて
頬を濡らしていた

「…泣けるやんけ…
強がってから…
アホが…お前が意地張るから
俺まで…泣いてもうたやんけ…」