第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
何がって!アレやん!
明日の…そう、オニギリ。
大丈夫やろか…
北さんの方が
美味しいとか言われたら…
「姫凪?」
ハッ!ちゃう!今はオニギリの事
考えてる場合やない!
そんなんより
もっと重要で
「こっち来て座り」
もっと難しい話が始まるんやから。
『は、はい!』
トントンと叩かれた硬いベンチに
腰を下ろすと
「せやから、そない構えなって
大丈夫。
襲うなら強引に部屋に連れ込んどるよ」
力なく笑って
私との距離を詰める治くんが
ビクッと震える私の肩を掴む