第67章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋③(宮侑、宮治)
大きく息を吸って
立ち上がろうとした足が
「なんや、姫凪か?
サクラやと思って
走ってきて損したやないか」
『ひゃあ!
侑?!後ろから声掛けな!
ビックリするやんか!
サクラは教室ちゃう?!』
ヘナヘナと力を失くす
「…おん、知っとるよ。
居るん見た…」
ベンチに再び腰掛けた私の隣に
腰を下ろした侑が
「…お前やと思たから来たんや
なんや…その…昼休み
北…ンンッ、三年の教室行く言うてたのに
一人でポツンとしとるから…
イケズされたんかなー思て…
それとも行くの止めたんか?」
私の顔を覗き込む