第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
「待ってる」
『はーい。
じゃあ、ね』
元カレを見送り
部屋に戻ろうとすると
「姫凪!」
孤爪くんの声がした
『え?孤爪くん?!』
まさかの登場に驚いて振り返ると
怖い顔した孤爪くんが
ズカズカ近付いてくる
「ねぇ…」
『え?何?』
見た事ない顔に固まってると
「ガキだからってナメんなよ」
意味が分からない
苛立ちと唇が
私にぶつかった
え?今のなに?
「ね?ドキドキした?」
低い声が耳に落ちて
身体が抱き締められる
逢えた嬉しさとか
そんなの吹っ飛ぶ程
『ちょ、止め…て!
なんで…イキナリ…こんな事…!』
パニックになる頭
「…教えない。
悩みなよ、ばか!!」
私が押し返した身体を翻して
離れていく孤爪くん
『なん、なの?!』
ぺたりと地面に落ちる腰
孤爪くんのキスで
力の入らない足
処理しきれず
動かない脳みそ。