第8章 ♡安息地(ひだまり)みつけた(孤爪研磨)生誕記念 完結
「姫凪…うん…またね…」
『あ、うん!!
連絡する!』
夕日を背にした笑顔に
少しドキッとした自分に
驚いてその場から走り去った
「ドキドキ?
まさかね…走ったから…だし」
自分に言い聞かせながら
息を整え家路についた
次の日もその次の日も
姫凪から連絡はなくて
おれも”ヤッパリか”なんて
思い始めた
向こうは多分年上で
まぁ、イケメンな彼氏も居たし
根暗でチビな高校生との
約束なんか
その場だけ。
幸い
おれは、番号を聞かなかったし
こっちからの
連絡手段がなければ
諦め付けるのも早いよね
「研磨?どうしたんだァ?
誰かから連絡待ってんのか?」
クロ声にハッとして
顔を上げる