第7章 ♓キミをちょうだい(月島蛍)生誕記念 完結
[想像してニヤケてる?
おれの勝ち〜]
ドヤ顔のネコのスタンプと
メッセージが並び
[反論は却下オヤスミ]
とんでもなく一方通行な
締め方でやり取りは強制終了され
呆然と携帯を眺めてると
「もうすぐですよ?」
タクシーの運転手さんの声
お金を払ってると携帯に入る
[もうすぐ着くよ〜
寝ちゃってるよね?
このまま家に帰る〜
朝起こしに来て♡]
姫凪からのメッセージ
孤爪さんに言われた
キラキラ顔が
返信しようとする手を止めた
切符を買ってホームに入り
新幹線が入って来るのを待つ
どの辺に座ってるか分からないから
とりあえず真ん中位の
ベンチで座る
風を巻き起こし入って来る
キミを乗せた新幹線
目を凝らして降りて来る
人を見て
「居た…」
見つけた
愛しい背中。
静かに近付くと
キョロキョロしながら独り言なんて
言っちゃってる