第65章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑、宮治)
強引さは日増しやし
好きって挨拶並に言うし
それでも
手を出すとかそう言うのんは
一切ないねん
”紳士”っていつか言うてたんは
ホンマなんやと
この数年で確信して
私はスッカリ侑くんへの
警戒心なんか
どこかに行ってしまってた
そんな時に限って
動き出すのが運命やと
思う数秒前。
学校近くの自動販売機の前
「なぁ、サクラ?」
背中に掛かる声
「なんやの?
あ、アクエリ売り切れやん。
リアルゴールドにしよかな…」
「今度デートせぇへんか?
治も姫凪もナシで
二人切りで。」