第65章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑、宮治)
握られた手を丁寧に解いて
「戻ろ?」
背中を向ける
沈黙が数秒。
傷付けたかも、と
少しチクリと痛くなった胸に
「…惚れた!
また惚れた!!」
風穴空きそうな程の
大声が届く
「侑くん!?
話聞いてた!?」
「当たり前や!
弱そうに見えんのに
芯の強いオンナ!素敵やん!?」
驚いて振り返れば
目をキラキラさせて
幼い子供みたいな顔で私を見つめてる
「いや、あんな?
私は治くんが好きで
シツコイ性格で…って
聞きぃ!」
「その猫被ってへん
素な感じもエエやん!
こんなサクラ治知らんやろ?!
モウケ、モウケ!!
可愛エエな!好きやで!」