第65章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑、宮治)
離した手に後悔したり
心で叫んだ言葉を必死に
押し殺したり
慌ただしい頭と身体で
少しでも接点を作ろうと藻掻く
「おん、好きにしぃ
お礼になんか奢ったろ。」
『ホンマ!?
なら毎日行く!』
小さくしか笑わへんけど
優しい笑顔が好きで好きで
独り占め出来たらと
毎日高い所にあるソレを
眺め続けてた
「毎日は奢らん」
アホ、本気にしぃなや
なぁんも奢らんでもええねん
私が見たいから
行くねんから、なぁ?
”おいで”の一言だけが欲しい
誰かに、じゃなくて、私に。