第65章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑、宮治)
「あ?サクラと侑(ツム)
付いてこーへんやん
またどっかしけこんでんかな?」
せっかくの二人きりやのに
治くんは後ろを気にして振り返る
サクラの事は可愛い妹やし
好きやし
侑も喧しいけど
別に嫌いなわけやないから
一緒におるんは嫌やないねん
ないねん、けど、や。
拗ねてまうやん。
他の子の事とか
気にせんといてよ
二人きりやのに、なあ?
私居るやん?
それじゃ嫌なん?
とか、モヤモヤと膨らむ気持ち
せやのに
『ほんまやね?
治くん残念か?
侑とサクラ探してこよか?』
何言うてんやろ、私。