第64章 ♑七夕企画🎋2019(赤葦京治)
『あー!楽しかった!
何か久々じゃない?
お邪魔虫されない七夕祭り!』
そう言って
景品で当たった小さな笹飾りを
クルクル回す姫凪さんの
手を取り歩き
「黒尾さんとアイさんの
粋な計らいに感謝ですね」
俺も二人切りを噛み締める
黒尾さんカップルが
アイさんの親の招待で
母親の実家へ旅行になった
"何人でも"との言葉に甘え
お邪魔虫しそうな人物を引き連れて
北海道へ旅立ったのだ
まぁ、緊張するって言うのが
一番大きいかも知れないが
俺は気遣いだと思っている
『ね?今日は泊まりに来れる?
最近試験勉強とかで
全然ユックリ来てくれてないじゃん…』
試験勉強は主に"木兎さんが"なのですが。
まぁ、それは良いとして
この可愛い誘いを断る選択肢はない
ただ、最近の俺は…
ちょっとヒネクレていると言うか…
「…どうしましょうね。
姫凪も慣れない浴衣とゲタで
はしゃぎ回って疲れたでしょう?
俺が居たらもっと疲れさせる事必至ですし
今日は…」
『え…そんな事ないよ…』
あぁ…堪らない。
この俺を求める目が見たくて
ついつい意地悪してしまうんです。
もちろん泊まる気しかなくて
強請られたら
アッサリ絆されるんですがね?