第62章 互いの熱で甘く…(黒尾鉄朗)バレンタイン2019 完結
「クロ、また"姫凪サン"の所?」
部活終わり
いそいそと帰り支度をする俺に
研磨が呆れた声で問い掛ける
「"また"は余計ですぅ!
良いだろ!親父には言ってある!
もう家出じゃなくて
帰宅なんですぅ~!!」
「え?住み着いてんの?
超ウザい…一人の時間ないとか
おれなら無理…"姫凪サン"カワイソ…
追い出され無い様に
気をつけてね…」
「ぅおい!縁起でもない事
言わないでクダサイ!!
俺と姫凪はラブラブなんだよ
アポなしも普通だし
その内普通に合鍵貰うもんねーだ!」
研磨にべーッと舌を出し
「悔しかったら
研磨も彼女の一人くらい作ってみろ!
このままじゃ一生童貞ですよー」
ペンペンとケツを叩く
「え?彼女?居るけど…」
「へ?研磨?!
ジョーク?」
「さぁ?どうだろ?
じゃあね、クロ。
ウザがられない程度にしなよ」
ダサい格好のまんま
取り残されて居た堪れないまま
俺も部室を去り
姫凪の住む部屋に足を進め
インターホンを押した
…が、応答ナシ。
アポは無いけど
時間はいつも通りだし
帰りが遅くなる時は
いつだってLINEか電話があったのに…
「姫凪~?
姫凪さーん?」
コンコンとドアを叩いて
返事を待ってみるけど
…応答ナシ。
急用か?
ま、いっか。
そんな日もあるよな…