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夢幻回廊【弐】裏夢専用(ハイキュー・弱虫ペダル)

第61章 クロ猫と傘と恋(黒尾鉄朗)企画転載 完結


姫凪さんと別れた後
携帯を必死で繋げた相手は
女じゃなくて

「…なんの嫌がらせ?
鬼電で起こされるの
おれが嫌いって知ってるよね?」

研磨。

「風呂貸して…
後メシと寝床と…」

「強盗なの?」

「…ダメ?」

「…びしょ濡れのまま帰して
風邪引かせたら
おれが夜久くんに怒られる。
入りなよ
母さん達は飲みに行って居ないから
残り物しかないし
お風呂も溜まってないけど
適当にして行けば?」

「…ラッキー…」

傘をさしてても
濡れてしまった肩を窄めて
制服を脱ぎ捨てながら
風呂に駆け込んで
冷えた身体を熱いシャワーで温める

置いてあったジャージを着て
研磨の部屋に入ると
いびつなオニギリがゴロリと
机に置いてあった

「…文句言わずに食べなよ
なんにもないからとりあえず握った」

「いやいや…研磨が女なら惚れてるヤツ」

デカ過ぎるオニギリに
クスリと笑うと

「おれはクロが彼氏とか絶対ヤダ。
アチコチで寝て帰るオトコとかサイテー」

スンッとした顔で思いっ切り
心を抉ってくる研磨

「…別に…好きでこんな事してるわけじゃねぇよ。
ただ…なんかカレカノってのに
抵抗がある…いつかは離れるかもなのに
居なくなるかも知れんのに
入れ込みたくねぇ…っていうか…」

分散してないと
重い愛で押し潰しそうな
細い身体が頭を掠めて
グッと口を結ぶ 
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