第55章 ♉わざと、の効果(孤爪研磨)生誕記念 完結
9月の木兎サンの誕生日会以来
『ねーねー!研磨!
これこれ!光ちゃんが
ナナさんに買った指輪ー!』
「へぇ…すごいね…」
『綺麗だよね!
あの壇上からのプロポーズも
カッコ良かったし~…
憧れちゃうよねー…
光ちゃんカッコ良かった~…』
姫凪の木兎サン熱が凄い
別に仲良いのは前からだし
あの時の木兎サンがカッコ良かったのは
おれも同意だけど
「そだね…」
『…ねぇ?研磨ぁ…
なんか最近ヤル気なし男に
磨きが掛かってない?』
「別に、普通。
あ、ごめん電話。クロだ」
面白くないよね。
自分の彼女が他の男を褒めるのって。
『また?クロさんと研磨
仲良過ぎくない?
研磨ぁ…構ってくんなきゃ
私死んじゃうよー?』
電話で話すおれにまとわりつく
小さな身体
漏れ聞こえる声に
〈まぁた痴話喧嘩かァ?
どうせ木兎の所引き合いに出されて
拗ねてんだろ?研磨〉
「クロ、うるさい。
用事なに?
ないなら切るよ」
ブヒャヒャ、と笑う声
ホントにクロはすぐ面白がる。