第48章 ♡誓いは始まり(牛島若利)生誕記念 完結
「どうした?楽しくないか?」
『ううん!楽しい!
若利と旅行って
初めてだからドキドキしちゃって』
「そうか?
落ち着きがないから
楽しんでいないのかと思った」
滞りなく進む予定、だが
観光中も
テーマパークでも
ソワソワする様が
いつもと違って
どこか上の空にも見えて
出発前に過ぎった不安が
静かに蘇る
もしかして俺の想いは
受け止められないのではと
まさかと否定しつつ
膨らむ不安
『若利??
次だよ?乗ろう?』
大きな観覧車の順番が来て
二人乗り込む
隣合って座り高く広くなる
視界に弾むはずの心が
どこか上がりきらなくて
『若利?聞いてる?』
「…あぁ、すまない。
なんだ?大切な話か?」
今度は俺が上の空。
『…ううん!平気!
あの、今日の夜さ!
チョット時間貰える?
少しで良いの!ね?』
「あぁ…構わない…
あ、待て…」
『あ!若利!てっぺんだよ!
凄い!写真撮ろう!
ほら、ここ見て!』
鳴るシャッター音
とっさに作った笑顔は嘘くさいのに
喜ぶ姫凪に
申し訳ない気持ちが溢れる
なにより
しくじったのは
「姫凪、今日の夜だが…」
大誤算なスケジュール