第42章 らしくないけどオマエだけ(照島遊児) 完結
自分で望んだ決別のくせに
なんで…
「ちょ、姉ちゃん!?
泣くってなに!?
実は照島の事、好きだったんじゃ!?
それなら俺メッチャ悪い事したじゃん?!」
『そんなわけないでしょ!
ゴミが目に入っただけよ!
ごめん!アキラ!
今日はステーキパス!
また今度にして!』
泣いてるのよ。
自分勝手過ぎて吐き気がするよ
今更気付いても
遅いのに
照島くんが胸の中に住み着いてるなんて
気付きたくなんか無かったのに
バカ…もう遅いのに…
アキラを置き去りにして
走って戻った自分の部屋
この気持ちが夢でアレと
思えば思うほど
涙が溢れて止まらなかった
そんな私の涙を止めたのは
小さな小さなノックの音の向こうの
「姫凪!」
聞こえるはずのない声だった