第42章 らしくないけどオマエだけ（照島遊児）　完結

「なんだ？
血相変えて追いかけて来ると
思ってたけど
追って来ねえなー
拍子抜け」

『…そうね…
てゆっかいつまで肩抱いてるのよ
離してよ、バカ』

パシンと肩に乗っかる手を弾くと

「姉ちゃんが困ってるから
助けてやったのに！
チャント奢ってくれよ！
特大のステーキ！」

弟のアキラがふくれっ面で
私を睨む

照島くんの事を愚痴ったら
彼氏のフリするって言い出して
退けなくなって
頼んだけど…

なんだろう…
さっきの照島くんの顔が
頭から離れない

私がどんなに拒否っても
ヘラヘラして強引だったのに…

「てゆっか姉ちゃん
照島が追いかけて来ないの
ショックだったんじゃね？」

『ばか！違う！
そんなわけないでしょ！』

そうよ。
ショックなわけないじゃない！

清々した！
もう会う事もないんだから！

怪訝な顔で私を見るアキラを
無視して言い聞かせる終わりに
疼いた胸にも無視を決め込んだ